「もっと作り込みたいから、納期を延ばしたい」上手く交渉する方法ありますか?

お悩み

デザイナーとして仕事をしていると、「あともう少し時間があれば、もっと良いものにできるのに!」「納得いくまで作り込みたい!」という局面に必ずと言っていいほど直面します。特に経験が浅いうちは、自分の納得感とスケジュールの間で板挟みになって悩むことも多いですよね。

今回は、初校の提出期限が迫るなか「クオリティを上げるために納期を延ばしたい」と相談にきた駆け出しデザイナーとのやり取りをご紹介します。

先輩デザイナーの田村さんの鋭い指摘とともに、プロとして「納期」とどう向き合うべきか、その本質についてお伝えします。


デザイナー
デザイナー

西村さんと田村さんに相談があるんです。今、初校の原稿を作っているんですけど、もう少し考えたい部分があって……。あと1日か2日あれば、もっと完成度を高められる気がしているんです。初校の予定は2日後なんですが、納期を延ばしてもらえないかとお客さまにお願いしたいんです。なんて言えば分かってもらえますかね?

田村
田村

なるほどー、まだ全然出来てない感じ?

デザイナー
デザイナー

そうですね……結構まだ……。というより、もっとこだわりたいっていう感じなんです。

田村
田村

なるほど。だから延ばしたい、と。……それは、やめたほうがいいと思います(笑)。延ばすのはやめるべきです。最初に「何月何日に初校を出します」とお客さまに伝えているなら、それは絶対に守るべき約束です。

西村
西村

僕も田村さんと同意見ですね。デザインの仕事において、品質と同じくらい、あるいはそれ以上に大事なのが「納期」なんだよ。相手もその予定で動いてるし、ビジネスにおいて時間は非常に重要だから。

デザイナー
デザイナー

でも、中途半端なものを出すよりも、しっかり作り込んだものを出したほうがお客さまのためになるんじゃないでしょうか?

田村
田村

その「もう少しこだわりたい」というのも、自分の中でちゃんとゴールを決めておかないと終わりがないですよ。今の時点でできていないなら、それが今の自分の「実力」なのかな、とも思います。

西村
西村

まさにそこがポイントだね。自分の中では「今は7割の出来だから、あと2日で100にしたい」と思っているかもしれないけれど、決められた納期までに持ってきたものが、今のあなたの100%の実力なんです。本当は100の力があるんじゃなくて、出すと決めた日にどこまで持ってこれるかがデザイナーの能力だから。

デザイナー
デザイナー

7割しか出せていないのが、今の自分の実力……。

西村
西村

そう。厳しい言い方かもしれないけれど、納期を守るという誠実さのほうが、自分の中の「いいもの出したい」という誠実さより大事なことが多いんだよ。それにね、納期っていうのはデザイナーの成長に一番つながるものなんだ。

田村
田村

納期がなければ、ずっと自分のベストを追い求められるかもしれない。でも、期限を区切られて「そこまでに出さなきゃいけない」というプレッシャーがあるからこそ、人は工夫し、成長できるんですよね。

西村
西村

僕だって、何年やっていても「100点満点、完璧だ!」と思って出せることは稀だよ。もっと時間があればもっとできる、というフラストレーションは常にある。でも、その限られた時間内での「最善」を出すのがプロの仕事。経験を積むことで、その「時間内に出せる70点」のレベルを底上げしていくのが自己研鑽なんだよね。

田村
田村

あとね、自分で「100%納得した!」と思っているときほど危ないかもしれないですよ。それはただの「自己満足」に陥っている可能性があるから。

西村
西村

そうだね。納期を延ばしてまでこだわりたいという気持ちが、実はお客さまのためではなく、自分の納得のため(自己満足)になっていないか、常に疑う目を持つことも大切だね。

田村
田村

もしどうしても不安なら、納期を延ばす相談ではなく、一旦今の状態で誰かに見てもらって相談したらどうかな? 弊社はチームなんだし。

西村
西村

それはいいアイデアだね。まずは、決めた納期で今の最善を出す。それで納得してもらえなかったとしたら、今の自分にはまだ力が足りなかったと受け止めて、次に活かす。その繰り返しが、結局は一番の近道になるはずですよ。

デザイナー
デザイナー

ありがとうございます。納期を守ることも含めて「プロの実力」なんだと痛感しました。今できる最善を尽くして、期限通りに提出します!


いかがでしたでしょうか。
「納期を守る」ということは、単なるスケジュール管理の問題ではなく、クライアントとの信頼関係を築くための「誠実さ」そのものです。今回のポイントをまとめます。

まとめ

・納期までに形にできたものが、今の自分の「実力」である。
・納期という制約があるからこそ、デザイナーは成長できる。
・「こだわり」が「自己満足」になっていないか、常に客観視する。
・品質への誠実さ以上に、約束(納期)への誠実さを優先する。

プロとして、決められた時間の中で最大限の価値を届ける。その積み重ねが、あなたをより高いレベルのデザイナーへと引き上げてくれます。

今日からできるアクション

「あと1日あれば……」と言いたくなったら、まずは今の状態で誰か(先輩や同僚)にフィードバックをもらってください。自分一人で抱え込んで納期を遅らせるよりも、今の最善を客観的に評価してもらうほうが、確実にゴールへ近づけます。

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